海峡管理交渉と並行して軍事的な緊張が再上昇
ホルムズ海峡の管理を巡る協議が停滞する一方、中東では米国側とイラン側による軍事行動が再び表面化した。オマーンは海峡の航路をイランと均等に管理する案を示したが、イランは安全保障上の懸念が残るとして受け入れなかった。外交的な緊張緩和策がまとまらない中、複数の地域で攻撃が報告されている。
イランは、進入航路の全てと退出航路の一部を自国の統制下に置くよう要求している。オマーン寄りの南側航路を船舶が利用することにも反対し、条件が受け入れられなければ海峡の閉鎖を続けると表明した。海上交通を巡る対立と軍事衝突が同時に進行する状況となっている。
米軍とサウジがイラクの関連施設を共同攻撃
米中央軍は7月28日、イラク国内にある施設をサウジアラビアと共同で攻撃したと発表した。対象となったのは、イランと連携するテロ組織の補給活動や武器に関係する施設だとしている。攻撃の具体的な場所や被害の規模については、提供された情報では示されていない。
米中央軍によると、この組織はイランから米軍やサウジアラビアのエネルギー関連施設を攻撃するよう指示を受けていた。米国側は、攻撃計画を支える拠点を排除するための行動だったとの認識を示している。サウジアラビアも加わったことで、衝突が米国とイランの2国間にとどまらない構図が明確になった。
革命防衛隊が中東の米軍拠点へミサイル発射
米中央軍は、イラン革命防衛隊が中東に展開する米軍に対し、複数の弾道ミサイルを使った奇襲攻撃を試みたと発表した。米国側は、発射されたミサイルを全て迎撃したとしている。攻撃対象となった具体的な施設や迎撃地点の詳細は明らかにされていない。
イラン革命防衛隊も7月29日、ヨルダンにある米軍基地などへ複数の弾道ミサイルを発射したとの声明を出した。米国側の発表とイラン側の声明から、米軍施設を標的とした攻撃が行われたことが伝えられている。施設攻撃とミサイル発射が続き、双方による攻撃の応酬が再開した形となった。
ホルムズ海峡で石油タンカー3隻の通航を制限
革命防衛隊は同じ声明で、ホルムズ海峡を航行していた石油タンカー3隻を停止させたと発表した。対象となった船舶について、米国の働きかけを受けてイラン側の警告を無視し、危険で違法な経路を通り続けたと主張している。タンカーの国籍や積み荷、乗組員の状況は示されていない。
イランは以前から、オマーン側に近い航路を利用する船舶の通過を認めない姿勢を取っている。今回の航行停止は、海峡管理を巡る主張を実際の船舶運航に反映した行動となる。外交協議で自国の要求を示すだけでなく、現場で航行を制限することで圧力を強めている。
外交提案と武力行使が交錯し沈静化は見通せず
オマーンによる航路の均等管理案は、米国とイランの対立を和らげるための提案だった。しかし、イランは自国の安全保障上の要求を満たさないとして拒絶し、条件が認められなければ海峡封鎖を続ける方針を示した。さらに戦闘再開への準備にも言及しており、交渉と軍事的威嚇が並行している。
同時に、米国とサウジアラビアによるイラクの施設攻撃、革命防衛隊による米軍基地へのミサイル発射、石油タンカーの航行停止が明らかになった。海峡の運営方法を巡る協議が進まないまま、陸上と海上の双方で対立が拡大している。緊張緩和を目指した提案が合意につながらず、事態の沈静化に向けた道筋は見えない状態が続いている。
