3区分の引き上げ基準を取りまとめ
中央最低賃金審議会の小委員会は7月28日、2026年度に適用する最低賃金の改定目安を決定した。都道府県を3つに分けた地域区分では、A区分を54円、B区分とC区分をそれぞれ56円引き上げる内容となった。これらを全国加重平均すると55円増となる。
国の審議会は、各地域の経済実態などに基づき、47都道府県をAからCまでの区分に分類している。今回のA区分には東京など6都府県、B区分には京都など28道府県、C区分には秋田など13県が含まれる。それぞれに示された目安を基に、地方側が実際の改定額を検討する。
地方区分は大都市より2円高い目安
2026年度の目安では、B区分とC区分の増額がA区分を2円上回った。大都市を含むA区分が54円であるのに対し、地方部を含む残る2区分は56円とされた。地域区分ごとに異なる引き上げ幅を提示することで、各地の状況を踏まえた改定につなげる。
最低賃金の全国平均は単純な都道府県平均ではなく、地域ごとの労働者数などを反映した加重平均で算出される。このため、3区分の目安額が54円と56円に分かれていても、全国水準では55円増となる。目安通りに全地域で改定されれば、平均時給は1176円に達する。
前年度の過去最大幅から伸び縮小
現在の最低賃金は全国平均1121円で、今回の目安による上昇率は4.9%となる。前年度の引き上げ額は63円、上昇率は6.0%であり、2026年度はいずれも前年度の水準を下回った。過去5年間続いていた最大幅の更新も止まることになる。
引き上げ幅が縮小した背景として、審議では物価上昇率が前年度より抑えられている状況が考慮された。一方で、物価高の影響を受ける労働者の生活費も重視された。働き手の所得水準を支える必要性と、賃金を支払う企業側の経営環境を両面から検討した結果となった。
最終額は各都道府県が個別判断
中央審議会が示した金額は、全国一律にそのまま適用される最低賃金ではない。各都道府県の地方最低賃金審議会が国の目安を参考にし、地域内の経済や雇用、賃金の状況を踏まえて最終額を決定する。2026年度の地域審議は8月から本格的に始まる。
そのため、同じ区分に属する都道府県でも、最終的な引き上げ額が同額になるとは限らない。地方審議会は中央側の基準を軸としながら、地域事情に応じた金額を審議する。決定後は都道府県ごとに改定内容と適用日が示される。
10月以降の順次適用に向け協議
各地で確定した最低賃金は、例年では10月以降に順次施行される。適用開始の時期は都道府県によって異なり、地域内の事業者は新しい時給水準に合わせた対応を進めることになる。最低賃金を下回る賃金で労働者を雇用することはできない。
2026年度の改定作業は、全国平均1176円という水準を見据えながら地方段階へ移る。中央審議会が示した地域別目安を各都道府県がどのように反映するかが次の段階となる。8月以降の審議を経て、全国の具体的な最低賃金が順次固まる見通しだ。
