グーグルがジェミニ新3モデルを発表、低価格化とサイバー防御強化で企業のAI活用拡大を本格的に後押しする構え示す

長峰 詩花
经过

ジェミニの新たな3モデルを公開

米グーグルは7月21日、生成AI「ジェミニ」の新モデル3種類を発表した。文章作成やソフトウエア開発などを効率的に処理する一般用途のモデルに加え、処理速度と価格を重視した軽量版、サイバー防御に特化したモデルをそろえた。高度な性能を常に必要としない業務に向け、利用費用を抑えながらAIを導入できる環境を広げる。

一般用途のフラッシュ系モデルと「ジェミニ3.5フラッシュ・ライト」は、従来のモデルより効率的な処理を重視している。企業が大量のデータや繰り返し作業を扱う場面でも、運用コストを抑えやすい設計となっている。

一般業務向けモデルは効率を重視

フラッシュ系の改良モデルは、文章の生成やプログラム開発を含む幅広い作業に対応する。出力するデータ量を従来より17%削減しながら、高い処理能力を発揮すると説明されている。必要な計算量を抑えることで、企業による継続的な利用を支える狙いがある。

フラッシュ・ライトは、複雑な推論能力よりも速度と価格面を優先した。大量の依頼を短時間で処理する用途を想定しており、定型的な事務作業や大規模なデータ処理などへの活用が見込まれる。最先端モデルほどの性能を求めない企業にとって、導入の選択肢が増える形となる。

サイバー防御に特化した軽量版

新たに示された「ジェミニ3.5フラッシュ・サイバー」は、サイバーセキュリティー分野を対象とする軽量モデルだ。ソフトウエアに含まれる欠陥を自動的に発見し、修復につなげる機能を備える。当初の提供先は政府機関やグーグルの提携先に限られる。

サイバー攻撃への対応を支援するAIでは、米アンソロピックも専用モデルを展開している。グーグルは防御機能に重点を置いたモデルを加えることで、企業や公共部門の需要に対応する。一般用途とは異なる専門領域へジェミニの利用範囲を広げる動きでもある。

AIエージェントの低コスト運用支援

グーグルは、新モデルによって企業がAIエージェントを低い費用で動かしやすくなるとしている。AIエージェントは、利用者の指示を受けて複数の作業を自動的に進める仕組みであり、継続的な運用では処理費用が重要になる。軽量モデルの拡充は、用途に応じて性能と価格を選択できる体制につながる。

文章の作成、ソフトウエア開発、大量処理、セキュリティー対策など、業務ごとに適したモデルを使い分けることも可能となる。グーグルは最上位モデルだけでなく、実務への導入を意識した製品群を先に充実させた。

次世代モデルの開発も同時進行

一方、注目を集める最上位モデル「ジェミニ3.5プロ」の正式な提供時期は示されなかった。グーグルは提携企業を通じた試験を進めており、近く提供すると説明している。当初予定されていた時期からは数週間の遅れが生じている。

同社は次世代モデル「ジェミニ4」の学習を始めたことも明らかにした。低価格モデルの投入を進めながら、上位モデルと次世代技術の開発も継続する。新たな3モデルは、企業利用の裾野を広げるとともに、生成AI市場におけるグーグルの製品構成を強化する役割を担う。

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