給付と減税を組み合わせる制度案が浮上へ調整
政府が検討する飲食料品の消費税減税と中低所得者向け給付をめぐり、社会保障国民会議の実務者会議で制度案が示された。会議は6月24日に国会内で開かれ、小野寺五典・自民党税制調査会長が中間取りまとめ案を提示した。案には、税率引き下げと現金給付を組み合わせる支援策が盛り込まれた。
制度案は、食料品の消費税負担を軽くしながら、所得に応じた給付を先行させる内容である。2027年度からの2年間を当面の措置とし、2029年度以降に本格制度へ移行する道筋が示された。政府・与党は、月内の中間取りまとめを目指している。
2029年度の本格導入へ制度の道筋を提示
中間取りまとめ案では、所得に連動する給付制度を2029年度に本格導入するとした。それまでの期間は、2027年4月から2年間、食料品の消費税率を1%に引き下げる。現行の軽減税率8%から大幅に下げることで、家計負担の軽減を図る。
あわせて、1%相当分の範囲内で給付を先行実施する。給付の規模は年6000億円強とされる範囲を基準に検討される。将来的に税額控除を組み合わせるかどうかは、事務負担などを理由に引き続き検討する扱いとなった。
勤労者を中心に支援対象の範囲整理進む方針
新たな給付制度は、中低所得層の手取りを増やすことと、就労を後押しすることを目的に掲げる。対象は、一定の勤労性の所得があり、税や社会保険料の負担をしている人とされた。働く高齢者や個人事業者、フリーランスも含まれる。
一方で、具体的な所得水準や支給額は固まっていない。配偶者が高所得の場合は、2029年度から対象外とする方向も示された。制度の公平性や事務手続きの設計が、今後の検討課題となる。
関連業種への配慮を中間案に盛り込む方針へ
消費税率の見直しに伴い、農業従事者への支援も検討される。小規模農家の中には消費税納付が免除される事業者があり、税率引き下げによって従来手元に残っていた税額相当分が減る可能性がある。この影響を踏まえ、農業分野への対応策を講じる方針が示された。
外食産業への配慮も案に含まれた。食料品の税率が1%に下がっても、外食は10%のままとなるため、事業環境への影響が論点となる。資金繰り支援などの予算措置を検討することで、関連業界への影響を抑える方向で調整する。
月内取りまとめへ与野党調整が続く局面に入る
中間取りまとめには、扶養する子どもの人数に応じた給付加算も盛り込まれる見通しである。2027年度からの当初2年間は15歳以下を対象とし、2029年度以降は18歳以下へ広げる。子育て世帯への支援を制度内で強める狙いがある。
ただし、財源はまだ明示されていない。対象者、支援額、上乗せ幅も決定しておらず、次回以降の会議で議論が続く。政府・与党は骨太の方針への反映を目指すが、野党の理解を得られるかが制度具体化の重要な関門となる。
