最高裁が高裁決定を支持した今回の司法経緯
最高裁第3小法廷は6月22日付の決定で、世界平和統一家庭連合、いわゆる旧統一教会に解散を命じた東京高裁の判断を支持した。教団側の特別抗告は棄却され、裁判官4人全員一致の結論となった。これにより、2022年7月の安倍晋三元首相銃撃事件を契機に大きく動いた一連の司法手続きは、最高裁段階で確定した。
長期に及んだ高額献金勧誘を司法が認定へ
最高裁は、教団側の献金勧誘について、1973年から2022年までの長期間にわたり不法行為に当たる行為が続いたと指摘した。通常の勧誘では達成できないような数値目標を設け、信者らに献金を求めていた点も重視された。東京地裁は、献金被害者が1500人以上、被害額が約204億円に上ると認定しており、高裁もこの流れを支持していた。
民法上の不法行為を根拠とした初の解散命令
宗教法人法は、法令に違反して著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為がある場合、裁判所が宗教法人に解散を命じられると定めている。法令違反を理由とする解散命令は、オウム真理教と明覚寺に続く3例目となった。ただし、過去2件は刑事事件を根拠としており、民法上の不法行為に基づいて宗教法人の解散が確定したのは今回が初めてである。
教団側の反論と清算手続きの進展状況を確認
教団側は、解散命令によって礼拝や集会の場が失われ、宗教活動に重大な支障が出ると主張した。さらに、2009年のコンプライアンス宣言以降は献金を巡る被害の訴えが減少したとも反論した。しかし高裁は、宣言後も献金収入の予算額が約500億円規模で維持され、2015年度から2021年度にかけて予算の8~9割が集められた点などを踏まえ、不法行為に当たる勧誘が継続していたと判断した。
宗教法人格失効で一連の司法手続きに区切り
最高裁は、信教の自由の重要性を踏まえて慎重に検討する必要があるとしつつ、解散命令は必要でやむを得ないと結論づけた。3月の東京高裁決定で解散命令の効力はすでに生じており、裁判所が選任した清算人による手続きも始まっている。今回の決定により、教団が宗教法人格を維持する手段はなくなり、清算と被害救済に向けた手続きが進む段階に入った。
