関電が15兆円投資計画を発表し電源構成強化へ

井村 智規
经过

15年間投資計画の全体像が公表

関西電力は4月30日、2026年度から15年間にわたり総額15兆円を投じる長期経営計画を明らかにした。対象は発電や送配電をはじめ、情報通信や不動産などグループの各事業に及ぶ。
この計画では、電力供給の維持と将来の需要拡大への対応を主な目的としている。設備の更新や新たな電源の整備を進め、長期的な供給力の強化を図る姿勢を示した。

電力需要増見込み容量3割拡大へ

人工知能の活用拡大やデータセンターの増設などにより、電力使用量は中長期的に増加すると見込まれている。こうした需要変化を背景に、発電設備容量を2025年時点と比べ約3割増やす目標が掲げられた。
電源の種類については、火力発電設備の更新に加え、再生可能エネルギーの導入拡大や原子力の活用を組み合わせ、安定した供給体制を維持する考えが示された。

原子力運転継続と建て替え方針

原子力発電に関しては、既存の7基の運転を継続しつつ、将来的な設備更新も視野に入れる方針が示された。建て替えには立地調査や設計、環境評価など多くの工程が必要となるため、現段階では準備に関わる費用の一部が計画に含まれている。
また、福井県の美浜原発周辺では後継設備に向けた自主調査が進められており、次世代型原子炉の技術開発にも取り組む姿勢が打ち出された。

投資内訳と成長分野の重点配分

投資総額15兆円の内訳は、既存設備の維持や更新に約9兆円、将来的な成長分野に約6兆円を振り向ける内容となっている。維持投資は送配電網や発電設備の更新が中心となり、電力供給の安定性向上が狙いとされる。
一方、成長投資では新たな電源整備や関連事業の拡大などが想定されており、長期的な収益基盤の強化につなげる構想が示された。

業績減少踏まえ安定供給重視

同時に公表された2026年3月期の連結決算では、売上高は前期比6.5%減の4兆566億円、純利益は9.6%減の3800億円となった。原子力利用率の低下や物価上昇による修繕費の増加が業績に影響したとされる。
こうした状況を背景に、同社は電源の多様化と設備強化を進め、長期的な供給の安定を確保する必要性を強調した。

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