トヨタが6年連続満額回答 賃上げ最大2万1580円で春闘を主導

宇津木 柊
经过

春闘集中回答日に広がる賃上げの動き

2026年の春季労使交渉は3月18日に主要企業の集中回答日を迎え、大手企業を中心に賃上げ回答が相次いだ。物価上昇が続く中、従業員の待遇改善を求める声が強まり、多くの企業が賃金引き上げに踏み切った。特に製造業ではベースアップを含めた賃上げが目立ち、全体として賃上げ率は5〜7%台の水準が広がった。こうした動きは国内経済の賃金循環にも影響を与えるとみられる。

トヨタが6年連続で満額回答を実施

トヨタ自動車は同日、労働組合の要求に対して満額で応じたと発表した。満額回答は6年連続となり、同社が賃上げの流れを継続していることを示した。賃上げ額は職種や等級に応じて月8590円から最大2万1580円とされた。成果評価が高い従業員には追加の増額も行われる仕組みとし、処遇改善の幅を広げた。

一時金は7.3カ月分で高水準を維持

年間の一時金は基準内賃金の7.3カ月分とし、労働組合の要求に応じた。前年実績と比較すると0.3カ月分減少したが、依然として高水準を維持している。比較可能な範囲では前年が過去最高だったため、今回の水準も引き続き高い支給水準といえる。企業側は賃上げの継続と収益のバランスを考慮した判断を示した。

他大手企業も賃上げで足並み揃える

日立製作所は月額1万8000円の賃金改善を決定し、パナソニックホールディングスや三菱電機、NECなども同水準で満額回答した。三菱電機では定期昇給を含めた月収の増加率が平均で約7%となる見通しだ。ホンダも労働組合の要求である1万8500円を受け入れた。大手企業を中心に賃上げの流れが明確となっている。

業種間で異なる賃上げ対応が鮮明に

一方で鉄鋼業界では満額回答に至らない企業が目立った。神戸製鋼所は1万3000円、日本製鉄は1万円、JFEスチールは7000円と、それぞれ要求額を下回る回答となった。中国製品の流入による市場環境の悪化が影響しており、業種によって賃上げ余力に差が出ている。春闘の結果は産業ごとの収益状況を反映する形となった。

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