日本向け輸出量の直近動向
中国税関総署が公表した貿易統計によると、2025年12月の日本向けレアアース磁石輸出量は280トンだった。前月の305トンから減少し、前月比8%減となった。11月は外交上の緊張が意識される中で高水準となっていたが、12月は調整局面に入った形だ。単月ベースでは変動が大きいものの、輸出量の減少は市場関係者の注目を集めている。
対日規制を前に在庫確保が進展
12月の輸出量を前年同月と比べると、31%を超える増加となった。これは中国側の輸出管理強化が意識される中で、日本企業が調達時期を前倒しした動きが反映された結果とされる。規制が本格化する前に在庫を確保する動きが広がり、数量ベースでは前年を上回った。
輸出管理強化と対日関係
中国政府は今月、軍事転用の可能性があるデュアルユース品目の対日輸出管理を強化する方針を示した。これにより、レアアース関連品目も影響を受ける可能性が指摘されている。対日政策を巡っては、高市早苗首相の発言をきっかけに、中国側が圧力を強めているとの見方も出ている。
米国向け輸出と世界全体の動き
12月の米国向けレアアース磁石輸出は564トンと、前月比で3%減少した。世界全体の輸出量も5950トン前後と、前月を下回った。ただし、米国向けについては、習近平国家主席とドナルド・トランプ米大統領の会談後、一部規制の一時停止が合意され、回復の動きもみられている。
日本企業への影響と供給構造
レアアース磁石は電気自動車や電子機器など幅広い分野で不可欠な材料だ。中国は世界の埋蔵量の約5割、採掘で約7割、精錬で9割超を占めており、日本企業にとって供給安定性は重要な課題となっている。輸出管理の動向次第では、調達戦略の見直しが迫られる状況が続く。
