関電原発差し止め訴訟、住民側が高裁で再争点化

井村 智規
经过

控訴に至った訴訟の経緯

滋賀県を中心とする住民らは、福井県内で稼働する関西電力の原子力発電所7基について、運転差し止めを求めて提訴してきた。対象は高浜、美浜、大飯の各原発で、営業運転開始から30年以上が経過した設備も含まれている。住民側は、地震や津波への備え、事故時の避難計画などに懸念が残るとして、司法判断を求めていた。

一審判決の判断内容

2025年12月25日の大津地裁判決は、原子力規制委員会が定める新規制基準について合理性があると指摘した。その上で、各原発が基準に適合しているとの規制当局の判断に不合理な点は見当たらないとした。原告が指摘した危険性についても、証拠上、具体的な危険が認められないと結論付けている。

住民側が示した不服の理由

原告団は、一審判決が住民の安全上の不安を十分に検討していないと主張する。弁護団は、老朽化が進む原発の耐震性や、実効性のある避難計画が確立されているかどうかが十分に審理されなかったと指摘している。こうした点を改めて争点として提示するため、控訴に踏み切った。

原発の運転状況と争点

訴訟の対象となった7基は、いずれも再稼働や運転継続が進められている原発である。地裁は、基準地震動の算定方法など新規制基準の枠組みに問題はないと判断したが、住民側は長期運転によるリスク評価が不十分だと主張している。安全対策の妥当性が引き続き争われる構図となる。

高裁審理で注目される点

大阪高裁での控訴審では、一審の判断が維持されるのか、住民側の主張がどこまで踏み込んで検討されるのかが焦点となる。原子力規制行政と司法判断の関係性、そして住民の安全に対する評価の在り方が、改めて問われる局面となる。

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