半導体事業での人員施策が明らかに
日清紡HDは、グループ内でアナログ半導体を手がける日清紡マイクロデバイスと国内子会社において、早期退職優遇制度を導入すると公表した。対象人数は560人で、該当事業に在籍する従業員全体の約2割に相当する。今回の施策は、事業運営体制の見直しを進める中で決定された。
募集対象と申請スケジュールの概要
募集対象は満45歳以上の正社員、准社員、シニア社員で構成される。申請期間は2026年4月1日から30日までとされ、退職日は同年6月30日に設定された。対象企業には2025年12月時点で約2750人が在籍しており、一定規模の人員調整となる。
退職条件と支援策の内容
早期退職を選択した従業員には、通常の退職金に加えて特別退職金が支給される。また、希望者に対しては再就職支援サービスを提供し、次の就業機会への移行を後押しする体制を整える。制度面では金銭面とキャリア支援の両立を図った内容となっている。
業績悪化が続く半導体事業の現状
マイクロデバイス事業では、主力であるアナログ半導体の市況低迷が続いている。2025年12月期には同事業で約70億円の赤字を計上する見通しとなっており、収益面での課題が顕在化している。市場環境の変化が事業運営に影響を及ぼしている。
構造改革を通じた収益改善への位置付け
日清紡HDは無線・通信事業とマイクロデバイス事業を成長の中核に据えている。今回の早期退職制度は、事業構造改革費用として特別損失を計上しつつ、将来的な収益回復を目指す取り組みの一環とされる。人員体制の最適化を通じ、事業基盤の再構築を進める方針だ。
