小売価格動向を踏まえた対応
国内のコメ市場では、原材料や流通コストの影響を受け、小売価格が高い水準で推移している。こうした状況を踏まえ、アイリスオーヤマは、自社が扱う2025年産新米の価格を引き下げる方針を示した。消費者の負担軽減を目的とし、社会的役割を意識した対応であると説明している。
値下げ対象となる商品内容
対象となるのは国産ブレンド米「和の輝き」で、主力の5キログラムは3980円に設定された。10キログラムは6980円となり、従来価格から最大で12.5%の引き下げとなる。無洗米も同様に価格を調整し、幅広い商品が対象に含まれている。
販売ルートと供給面の概要
販売は公式通販サイトのほか、宮城県や首都圏で展開するグループのホームセンター計34店舗で行われる。現時点で購入数量の制限は設けられていないが、注文が集中した場合には販売方法を見直す可能性があるとしている。供給の安定性にも配慮した運営が想定されている。
精米事業のこれまでの歩み
同社は東日本大震災後の2013年、地域復興の一環として精米事業に参入した。翌年には宮城県亘理町に精米工場を設置し、パックご飯の製造販売も展開してきた。2025年には政府備蓄米をいち早く店頭販売した実績があり、流通面での対応力を示している。
消費者への影響と今後の位置付け
今回の値下げは、家計負担の軽減に直結する施策として注目される。高止まりするコメ価格の中で、安定供給と価格調整を両立させる取り組みとして位置付けられている。今後、他の小売価格への影響も含め、市場全体の動向が注視される。
