安倍政権経験者を起用、高市政権の統治戦略が鮮明に

長峰 詩花
经过

首相官邸で進む人事調整

政府は、内閣広報官の交代人事として佐伯耕三氏を起用する方向で最終調整に入った。現職の小林麻紀氏は退任する見通しで、官邸内の実務体制に変化が生じる。複数の政府関係者が18日までに明らかにしており、人事は高市首相の判断によるものとされる。

佐伯氏が担ってきた役割

佐伯氏は経済産業省出身で、安倍晋三元首相の演説草稿を担当するスピーチライターとして知られる。第2次安倍政権では首相秘書官に就き、首相の考えを言葉として整理し、対外的に示す役割を担った。官邸内部での信頼も厚く、政策全般に影響力を持っていた。

官邸中枢の構成変化

高市政権では、すでに今井尚哉氏が内閣官房参与として官邸に関与している。今井氏と佐伯氏は安倍政権期に連携し、官邸運営を支えた関係にある。両氏の存在により、官邸内の意思決定過程が集約される体制が整いつつある。

政策と広報の一体運営

内閣広報官の役割は単なる情報発信にとどまらない。佐伯氏の起用は、政策立案とメッセージ発信を一体で進める体制を意識したものといえる。首相の考えを迅速かつ正確に伝える仕組みを官邸主導で構築する狙いがある。

中長期運営を視野に入れた官邸布陣

今回の人事は、高市政権が官邸主導による安定的な政権運営を目指す姿勢を示している。安倍政権で培われた官邸運営の手法を活用し、政策実行力と発信力の両立を図る構えだ。官邸を軸とした統治戦略が今後の焦点となる。

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