メガソーラー支援転換で政策方針が大きく変化

早瀬 涼真
经过

再エネ政策見直しの節目が明確化

自民党の関連部会は15日、大規模太陽光発電所への国の支援制度を見直す提言案を取りまとめた。2027年度以降に始まる新規事業を補助対象から除外する内容が柱で、再生可能エネルギー政策の転換点となる。東日本大震災後に進められてきた導入拡大策は、一定の普及成果を挙げたと位置付けられている。

普及促進策が果たした役割の整理

政府は2012年に固定価格で電力を買い取る制度を導入し、太陽光発電の拡大を後押ししてきた。その結果、発電コストは低下し、電源構成に占める太陽光の割合は約1割まで拡大した。自民党内では、市場価格に補助を上乗せする仕組みは、当初の目的を果たしたとの認識が広がっている。

環境・景観問題が政策判断に影響

一方で、メガソーラー開発を巡っては、森林伐採や湿原周辺での設置などが指摘され、環境や景観への影響が課題となってきた。北海道の釧路湿原周辺などでは、地域住民との対立も表面化している。こうした状況が、支援策の継続を再検討する背景となった。

規制と安全確認の強化を検討

政府は提言を受け、支援廃止と併せて事業者への監視体制を強化する方針だ。電気事業法の改正を通じ、第三者による安全性確認の仕組みを導入する案も検討されている。設備の設置後も含めた管理体制の厳格化が焦点となる。

再エネ推進と調和を探る段階へ

メガソーラー支援の見直しは、再生可能エネルギー全体の否定ではない。政府は普及段階を踏まえ、環境との調和や地域理解を重視した政策へ移行する構えだ。今後は、制度設計の具体化と現場への影響が注目される。

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