新しい受診手続きの開始が発表
12月2日から医療機関での保険資格確認の方法が一本化され、マイナ保険証または資格確認書を提示する仕組みに完全移行した。紙の保険証は1日をもって有効期限を迎え、これまでの方式から大きく転換する形となった。厚生労働省は制度変更に際し、受診者が混乱しないよう準備を進めてきた。
特例措置の運用状況が判明
制度移行に伴う混乱を抑える狙いから、来年3月末までは従来の保険証も利用可能とされている。厚生労働省は日本医師会や自治体に通知し、現場での円滑な対応を求めた。対象となる被用者保険証は企業や公務員の加入者とその家族で、約7,700万人規模に上る。国民健康保険でも夏以降の期限切れを経て順次切り替えが進行している。
資格確認書の運用状況が発表
マイナ保険証を保有していない人は、保険者や自治体が発行する資格確認書を提示することで受診できる。後期高齢者医療制度の対象者には無条件で発行され、高齢や事情によりマイナ保険証の利用が難しい場合には申請によって交付される。こうした仕組みにより、制度移行期でも医療サービスを確保できる体制が整えられている。
マイナ保険証の利便性と課題が影響
政府は昨年12月から本格運用を開始し、受診歴や投薬情報の管理による医療質向上を狙ってきた。登録者は10月末時点で約8,730万人とされ、保有者の約88%がマイナ保険証に紐づけている。しかし、実際の利用率は37.14%にとどまり、顔認証や暗証番号入力などへの負担感が普及の障壁となっている。誤登録などの不具合も医療現場で報告され、慎重な姿勢が見られる。
利用促進に向けた呼びかけが続く
上野賢一郎厚労相は11月28日の会見で、マイナ保険証または資格確認書の準備を進めるよう国民に呼びかけた。政府は制度の利点を強調しつつ、不具合に対する懸念を減らす説明を続けている。制度定着のためには、現場の課題への対応が引き続き求められる。
