火災発生状況と当局発表が判明
香港・大埔区の高層住宅群「宏福苑」で11月26日午後、大規模な火災が発生し、27日夜までに多数の死傷者が確認された。死者数は55〜75人とされ、行方不明者は270人を超え、住民の捜索が続いている。火災は26日14時51分頃に発生し、消防当局は早い段階で火災レベルを最も深刻な区分に引き上げた。現場では炎が複数棟に広がり、灰色の煙が周辺一帯を覆う状況が続いた。700人以上の消防隊員が動員され、消火と救助が同時進行で行われたが、上層階への到達は困難となった。
消火活動の難航と周辺住民への影響が拡大
複数の棟が炎上したことで消火活動は長時間に及び、27日夜になっても鎮火に至らない部分が残った。建物周辺には広い避難区域が設けられ、周辺住民は仮設の避難所に移動した。道路の封鎖により30以上のバス路線が迂回運行となり、地域の交通にも大きな影響が生じた。地元の担当者によれば、深夜になっても行方不明者の届け出が次々と寄せられており、実際の行方不明者数が確定できない状況が続いた。高齢者の居住割合が高い住宅群であったため、避難が遅れた住民が多かったとの指摘もある。
竹製足場と可燃性資材の影響が判明
現場の住宅群は1983年建立で、昨年から外壁修繕工事が進んでいた。建物外側には竹製の足場が組まれ、その上にシートや防護ネットが設置されていた。これらが炎を急速に広げた可能性が高いとされ、警察は足場に使われた資材の検証を開始した。窓部分には可燃性の発泡スチロールが取り付けられていたとの報道もあり、火勢拡大の要因として注目されている。竹製足場は香港で広く使用されてきたが、政府は安全面の観点から金属製への移行を進めていた。
修繕会社幹部の拘束と捜査の進展が発表
警察当局は27日、修繕工事を請け負っていた会社の幹部3人を過失致死の疑いで拘束した。足場や保護資材の取り扱いに問題があり、適切な基準を満たしていなかった可能性が浮上した。10月には当局が建設業者に対し、使用資材が燃えにくい条件を満たすかを確認するよう通知を出しており、今回の工事がその要件に違反していた疑いがある。警察は建物外壁の状態、施工記録、資材の調達経路などを含め、本格的な原因究明に入った。
建物構造と防災設備に関する問題点が浮上
住民の証言では、一部で火災報知器が作動しなかったとの指摘があり、避難経路の確保が困難だったことも報じられた。エレベーターが停止したため、階段での避難を余儀なくされた住民が多かった。高層建築で多数が高齢者であったことは、被害が広範囲に及んだ背景として注目されている。31階建ての構造上、上階への消防ホースの到達が難しく、消防隊は極めて高温の環境下で救助に当たった。建築時の仕様や設備の老朽化が被害の拡大につながった可能性も示されている。
