NZ中銀が政策金利を2.25%へ引き下げ 景気持続のため金融緩和を継続した方針を示す

長峰 詩花
经过

景気判断と政策対応が判明

ニュージーランド準備銀行は2025年11月26日の金融政策決定会合で、政策金利を2.25%に下げる決定を公表した。引き下げ幅は0.25%で、8月、10月に続き3会合連続となった。声明では、国内経済の回復はまだ初期段階にとどまり、持続性を確保するには金融緩和の継続が適切だとの認識が示された。これにより、中銀が景気下支えを優先する姿勢を維持していることが明確になった。市場では事前に利下げを見込む声が多く、ロイターの調査でも多数のエコノミストが今回の措置を予測していた。

今回の判断には、家計支出の動向や労働市場の安定化が影響している。中銀はこれらの指標を踏まえ、総需要の回復にはなお余力が必要だと分析した。経済には大幅な余剰能力が残っており、それが今回の政策変更を後押ししたと説明された。

インフレ率の推移と見通しを示す

中銀が利下げを続ける背景には、国内インフレ率の鈍化がある。7〜9月期の消費者物価指数の上昇率は前年比3.0%となり、目標レンジの上限に位置した。ただし声明では、2026年半ばにかけて2%近くまで落ち着くとの見通しが示された。これにより、インフレ懸念が和らぎ、政策金利引き下げの余地が生まれている。

中銀はまた、インフレと生産に関するリスクが均衡しているとし、急速な物価上昇が再燃する兆候は限定的だと認識した。一方で、住宅市場の低迷が続き、利上げ局面で落ち込んだ活動が完全には回復していない点にも注意を払っている。これらの要因が複合し、物価の先行きを慎重に評価する姿勢がうかがえる。

金利決定をめぐる議論が報告

今回の政策決定に関して公開された議事要旨では、委員6人のうち5人が利下げに賛成したことが明らかになった。金利を2.50%で据え置く案と比較し、多数が緩和強化を選択したかたちだ。これにより、中銀内部でも需要の弱さに対する認識が共有されていることが読み取れる。

また、中銀は今後の政策運営について、インフレと経済見通しの変化に応じた柔軟な対応を続けるとした。OCRの予測では、2026年第1四半期が2.20%、2027年第4四半期は2.65%と見込んでおり、長期的には上昇方向を示している。ただし、これは8月時点の予測より低く、当面の金融環境が緩和的に維持される可能性を示す。

市場反応と通貨動向の影響

今回の利下げは市場に即座に影響を及ぼした。NZドルは発表後に対米ドルで上昇し、1週間以上ぶりの水準となった。2年物スワップ金利も上昇しており、追加利下げ観測が後退したことが反映された。市場が次の政策変更を見込む度合いは前日の50%超から22%へ低下し、中銀が緩和サイクルの終盤に差し掛かったとの認識が広がった。

一方、金融緩和にもかかわらず、成長率は依然として低い状態にある。世界経済の減速や政府の財政引き締めの影響が、中銀の景気回復シナリオにとって重しとなっている。住宅市場の回復ペースも鈍く、家計が低金利を十分に活用しきれていない点が引き続き課題となっている。

成長動向と先行き見通しの影響

中銀は経済成長率について、第3四半期が0.4%、第4四半期は0.7%に拡大すると予測した。総需要が徐々に改善しつつあるとしながらも、追加の政策対応にはより深刻な需要減速が確認される必要があると指摘した。専門家からも、今後の緩和措置のハードルは高いとの見方が上がっており、次の政策判断は景気の実勢を反映するものになるとみられる。

今回の利下げによって中銀は景気の安定化に向けた姿勢を維持したが、緩和効果が十分に波及するかどうかが焦点となる。外部環境の不確実性が続く中で、金融政策の機動性が問われる局面が続いている。

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