海洋安保課題を背景に情勢認識が一致した協議が実施
日本とインドネシアは17日、東京で外務・防衛担当閣僚の協議を行い、海洋安保強化に向けた判断を共有した。中国が周辺海域で存在感を強める情勢が続く中、両国は海域の安定確保が共通課題であるとの見方で一致した。今回の枠組みは2021年以来の開催となり、協議の再開が地域情勢への対応を後押しした。両政府は戦略的パートナーとして認識を深める姿勢も示した。
国際法順守と海洋秩序維持を重視する姿勢が表面化
会議後、日本側は東シナ海と南シナ海の状況について、力を伴う動きへの懸念をあらためて示し、法に基づく行動の必要性を共有した。インドネシアは最大の貿易相手国が中国である状況にありながら、地域の均衡を維持する立場を掲げている。両国は海洋国家としての利害が重なることを認識し、海域の安定に向けた協調の重要性を確認した。
装備支援や情報保護の議論が進む環境が整備
日本からインドネシア海軍への高速警備艇供与を含む支援は、今年の首脳会談で合意された内容に沿って協議された。さらに、防衛当局間では軍事情報の扱いに関する議論を始めることで一致し、実務的な協力領域が広がる兆しを見せた。両国は安全保障協力を段階的に拡大する姿勢を示し、実効性ある枠組み作りへ動き出している。
安全保障能力向上支援と海洋連携の拡大が進行
OSAを軸とした日本の支援は、インドネシアの警備態勢強化を目的とするものであり、協議ではその継続が改めて確認された。ODAを併用した取り組みも含まれ、海上交通路の安定維持に寄与する形で協力が進む構図となった。インドネシアが持つ地政学的な位置を踏まえると、海洋連携は地域経済にも影響を及ぼすため、両国の協調は重要性を帯びている。
地域の安定確保に向けた関係深化が新たな段階に
今回の協議によって、日本とインドネシアの戦略対話は新たな段階に入りつつある。防衛当局間の交流強化や実務協力の拡大は、地域全体の安定維持に直接関わる動きとなる。協議枠組みの定期化により、海洋課題に対処する能力が高まる可能性も示され、双方が取り組む地域秩序維持の重要性がより明確となった。
