買収手続き前倒しが示す非公開化計画の進行状況
欧州系投資ファンド EQT が進める フジテック の非公開化計画が、当初の予定を上回る速度で進展した。必要な国内外の手続きが揃い、TOB開始時期は当初予定より早い 11月14日 に設定された。買い付け期間は 12月15日 までとされ、非公開化に向けた実務が本格化する局面を迎えた。
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公開買い付け価格と総額が示す大型投資の規模感
公開買い付け価格は 1株5700円 とされ、13日の終値 5686円 をわずかに上回る水準で設定された。総額は 4078億円 に達し、エレベーター事業を展開する同社に対する大規模な投資が動き出す形となった。この金額規模は、非公開化後の事業再編を視野に入れたものと位置づけられる。
経営側の賛同が示す非公開化への姿勢と方向性
フジテックは今回のTOB実施に改めて賛意を示し、EQTの傘下に入る方針を明確化した。同社は買収後のグループ体制のもとで事業の安定化を図る考えを示し、長期的な改善に向けた環境整備を重視している。外部資本との連携が、経営の再構築を進める土台とみられる。
統治混乱の背景にある株主間の対立が浮上
フジテックを巡っては、創業家と大株主である香港系投資ファンド オアシス・マネジメント の間で意見の相違が続き、企業統治体制が揺らぐ状況が長期化していた。この対立は経営の不透明感を高めていたため、買収後の統治安定化が課題として位置づけられている。
非公開化後の事業再整備に向けた動きが焦点となる局面
EQTによる買収が成立した場合、フジテックは上場廃止となる。市場環境の影響を受けにくい体制で経営再建を進める余地が生まれる一方、統治混乱の収束を促す点も注目される。非公開化後の戦略と再成長への道筋が、今後の動向を左右するとみられる。
