初の財政審で2026年度予算議論が本格化
高市早苗政権発足後初となる財政制度等審議会が11月5日に開かれ、来年度の予算編成に向けた議論が始まった。前政権の拡張的な財政方針を引き継ぐ形で、政府は「責任ある積極財政」を掲げるが、財政規律との両立が問われている。片山さつき財務相が出席し、経済成長と財政安定の両立をテーマに協議が行われた。
政府が成長分野への重点投資を推進
政府は4日に開かれた成長戦略本部で、AI、半導体、造船、量子技術など17分野への集中投資を表明した。高市首相は「戦略的な財政出動で経済を立て直す」との方針を示し、財政出動を経済再生の軸と位置づけた。しかし、一方で財源の裏付けが不十分な場合、市場の信頼を損なうリスクも指摘されている。
財務省が利払い費急増の可能性を提示
財務省は同日の会合で、金利上昇がもたらす財政負担についての試算を公表した。長期金利が1%上昇すると、利払い費は2027年度の10.5兆円から2036年度には34.4兆円にまで増えると見込まれる。国債費の増大は財政の硬直化を招き、将来世代への負担を拡大させる恐れがある。
市場の信認確保を重視する声
審議では、委員から「市場の信認を保つことが成長の基盤」「有事対応に備える財政余力が不可欠」といった意見が出された。増田寛也会長代理は会見で、「経済成長と財政健全化は相反するものではなく、両立を実現しなければならない」と強調した。こうした意見は、積極財政の持続には市場の理解が不可欠であることを示している。
医療費の抑制策も課題に浮上
また、社会保障分野でも支出抑制が課題として取り上げられた。財政審は、診療所の報酬適正化などを通じて、医療費増大の抑制を図る方向で議論を進めている。今後、こうした提言を取りまとめ、12月下旬に閣議決定される2026年度予算案に反映させる予定だ。
