新政権発足後、相次ぐ首脳会談が実現
高市早苗首相は11月5日夜、ウクライナのゼレンスキー大統領およびイタリアのメローニ首相とそれぞれ電話で会談し、欧州との協力体制を一層強化する姿勢を示した。就任直後に2人の首脳と相次いで協議を行ったことで、新政権の外交方針が明確に打ち出された。
ゼレンスキー大統領との通話は約30分、メローニ首相との協議は約15分に及んだ。高市首相は両会談で、民主主義国家としての連帯と国際秩序の維持に向けた協力を確認した。
ゼレンスキー大統領への支援姿勢を再確認
ゼレンスキー大統領との会談では、日本が引き続きウクライナの復旧・復興を支援する方針を明確にした。高市首相は「ウクライナと共にある日本の姿勢は変わらない」と強調し、「公正で永続的な平和を実現するため、ウクライナの努力を後押しする」と述べた。
これに対しゼレンスキー大統領は、高市首相の就任を祝意し、日本のこれまでの支援に深い感謝を表明した。また、エネルギー分野で日本が提供を検討する機器について「冬季の都市生活に大きな助けとなる」との期待を示したほか、高市首相にウクライナ訪問を招請した。
メローニ首相とG7内の結束を確認
同日、高市首相はイタリアのメローニ首相とも協議し、「自由で開かれた安定的な国際秩序」に向けた同志国の連携強化で一致した。高市首相は安全保障や経済分野における協力の進展を評価し、両国の関係深化に意欲を示した。
メローニ首相は高市首相の就任を祝福し、G7で女性首脳が2人となったことを喜んだとされる。高市首相は自身のSNSで「メローニ氏との会話で連携の重要性を再確認した」と投稿した。
欧州との関係を重視する外交戦略
高市政権は発足以来、ウクライナ支援を軸に欧州諸国との関係を重視する姿勢を鮮明にしている。今回の連続会談は、日本が安全保障や経済連携の分野で欧州との一体性を強める意志を象徴する。
ウクライナ支援を続けることで、国際社会における日本の責任を果たすと同時に、G7の枠組みの中で影響力を確保する狙いがある。
国際的な信頼構築へ向けた一歩
今回の両会談は、戦争終結と国際秩序維持に向けた日本の積極的な姿勢を裏付けるものとなった。高市首相は、民主主義と法の支配を重視する価値観を共有する国々との協調を通じて、世界的な課題に取り組む意向を示している。
新政権の外交路線は、欧州を中心とする同志国との信頼関係をさらに深める方向で進むとみられる。
