国会召集へ、次期首相選出の舞台整う
臨時国会が21日に召集され、石破茂首相の後任を決める首相指名選挙が行われる見通しとなった。公明党が自民党との連立を離脱したことで、議席構成が大きく揺らぎ、各党が多数派確保に奔走している。特に国民民主党の玉木雄一郎代表をめぐる動きが焦点となり、与野党双方が取り込みを狙っている。
自民党は過半数割れ回避へ奔走
自民党は衆院で196議席を有するが、過半数の233議席には37議席不足している。鈴木俊一幹事長は14日、国民民主党幹事長の榛葉賀津也氏と会談し、党総裁の高市早苗氏を次期首相に押し上げるための協力を依頼した。連立の可能性を視野に入れたこの接触は、政権の安定を模索する自民の苦しい現状を象徴している。
野党は「玉木カード」で結束を模索
一方、立憲民主党や日本維新の会は、玉木氏を野党統一候補として擁立する構想を具体化させている。14日夕に開かれた3党幹事長会談では、立民の安住淳幹事長が玉木氏の擁立に向けた調整を提案。維新側も前向きな姿勢を見せたが、政策面でのすり合わせは難航している。玉木氏が条件として挙げる「政策合意」が実現するかが鍵を握る。
国民民主は「是々非々」を堅持
国民民主党は依然として独自の立場を貫いている。榛葉幹事長は「各政策ごとに判断する」と述べ、特定勢力への接近を避けた。党内では、自民と立民の双方に歩み寄ることで政策実現を図る「中道戦略」を重視する声が強い。こうした態度が、与野党の双方から「最後の決定権を握る政党」として注目を集めている。
維新は実利を優先し独自判断へ
維新の遠藤敬国対委員長は同日、自民の梶山弘志氏と会談し、今後の対応について意見交換した。維新関係者は「副首都構想など、現実的な成果を求める」と語り、与野党いずれにも傾かない姿勢を強調した。残された時間の中で、どの陣営が玉木氏の支持を取り付けるかが次期政権の帰趨を決する。