自民党新執行部、麻生派が要職占める新体制に

笠原 美琴
经过

高市総裁が新執行部を正式発足へ

自民党の高市早苗総裁は、7日に新たな党執行部を発足させる。幹事長には鈴木俊一総務会長(72)、政調会長には小林鷹之元経済安全保障担当相(50)、総務会長には有村治子元女性活躍相(55)、選対委員長には古屋圭司元国家公安委員長(72)をそれぞれ起用する方向が固まった。麻生太郎元首相(85)は副総裁として再登板する見通しで、党内では麻生派の影響力が際立つ布陣となった。

麻生派中心の布陣が鮮明に

今回の人事では、麻生派から複数の要職が選ばれた。鈴木氏と有村氏はいずれも同派に所属し、高市氏の推薦人を務めた有村氏は、総裁選での支援への謝意を込めて抜てきされたとみられる。麻生氏は決選投票で派閥議員に高市氏への投票を指示しており、その政治的協力関係が新体制にも反映された形だ。

閣僚人事では木原氏を官房長官に起用

内閣人事でも調整が進んでいる。高市氏は官房長官に木原稔前防衛相(56)を起用する方針を固めた。木原氏は旧茂木派に所属し、保守的な政治姿勢を共有しているとされる。さらに、総裁選で5位となった茂木敏充前幹事長(69)を外相などの重要閣僚として処遇するほか、決選投票で争った小泉進次郎農林水産相(44)も引き続き閣内に残す見通しだ。

萩生田氏ら旧安倍派の登用も進む

一方、旧安倍派からは萩生田光一元政調会長(62)が幹事長代行として起用される予定。政治資金規正法違反事件で処分を受けた経緯があるが、高市氏は「有能な人材は活かすべき」との方針を示しており、党内融和を優先した判断とみられる。国会対策委員長には梶山弘志元経済産業相(69)が選ばれ、旧茂木派との連携も図られている。

高市新体制、派閥融和と安定運営が焦点に

高市総裁の人事方針は、麻生派との協力を軸にしつつ、旧安倍派や茂木派からも人材を登用する「融和型」となっている。派閥間のバランスを取ることで党内安定を目指す姿勢が鮮明だ。新体制のもとで、高市氏が掲げる政策課題—経済再建、安全保障強化、信頼回復—をどのように進めるかが今後の焦点となる。

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