石破政権の退陣で始まった権力移行
石破茂首相の辞任を受け、10月4日に行われた自民党総裁選で高市早苗氏(64)が新総裁に選出された。
5人が争った選挙は1回目で過半数に届かず、高市氏と小泉進次郎氏による決選投票の末、高市氏が勝利。党の第29代総裁として新たな一歩を踏み出した。
激戦の末に決まった新リーダー
決選投票では、国会議員票と都道府県連票を合わせて高市氏が185票、小泉氏が156票。
高市氏は党員・党友の4割以上の支持を得て、幅広い層からの支援を背景に初の女性総裁に就任した。
「全員で働いて立て直す」と語り、党再建を最優先課題に掲げた。
経済再生と外交安定を最優先に掲げる
高市氏は記者会見で「何としても物価高対策に力を注ぎたい」と述べ、経済政策の加速を強調した。
また、「日米同盟の強化を確認し、他国との連携も重視する」とし、国際的信頼の回復に意欲を示した。
安全保障政策では、憲法改正を含む議論を進める考えを明確にした。
強硬保守路線への評価と懸念
高市氏は保守派の代表格であり、故安倍晋三元首相の経済政策「アベノミクス」の継承を掲げる。
一方で、旧姓使用や同性婚に反対するなどの姿勢が、社会的多様性の議論に影響を与える可能性もある。
専門家からは「右派の結束は強められても、国民全体の支持拡大は課題」との見方も出ている。
日本初の女性首相誕生へ 国民の視線集まる
国会での首相指名選挙を経て、高市氏が日本初の女性首相となる見通し。
石破前首相は「国家国民のために全身全霊を尽くす決意の表れだ」と述べ、新体制に期待を寄せた。
一方で、高市政権が直面するのは、経済低迷、インフレ、国民の信頼回復という重い課題である。