全国平均1.5%の上昇を発表
国土交通省が公表した基準地価は、2025年時点で全国平均1.5%の上昇を記録し、4年連続でプラスとなった。バブル崩壊後では最大の伸び率で、1991年以来の高水準となった。都市部を中心に需要が高まり、全国的に地価の回復が鮮明になっている。
三大都市圏が上昇を牽引
東京・名古屋・大阪を含む三大都市圏では前年比4.3%上昇と高い伸びを示した。都心部ではオフィスの空室率低下や賃料上昇が進み、収益性が改善。観光需要の回復によりホテルや商業施設の建設も相次ぎ、商業地を押し上げる要因となった。
地方圏では横ばい地域も判明
地方圏は0.4%の上昇で全体的には緩やかな改善が続いているが、上昇幅は限定的だった。札幌や仙台など地方主要都市では伸び率が縮小し、その他の地域では住宅地が29年続いた下落からようやく横ばいに転じた。人口減少や産業の停滞が続く地域では足踏みが見られる。
観光・産業拠点で急伸を観測
観光地や産業拠点では突出した伸びが報告された。長野県白馬村では商業地が29.3%上昇し、北海道千歳市では31.4%上昇を記録。半導体工場やリゾート施設建設に伴う需要が集中し、地域経済を刺激する形となった。
不動産市場への影響が拡大
住宅地は全国平均で1.0%上昇、工業地は3.4%上昇と堅調だった。特に物流拠点や半導体関連地域では需要が強く、不動産市場に波及効果を与えている。一方で、過疎化が進む地域では依然として停滞が続き、全国的な一様な回復には至っていない。