石油化学業界で再編加速、ポリオレフィン事業統合へ

長峰 詩花
经过

国内3社が統合合意に至った経緯

三井化学、出光興産、住友化学の3社は、レジ袋や自動車部品の原料となるポリオレフィン事業を2026年4月に統合することを決定した。需要縮小と中国の過剰生産による市況悪化が続く中、各社は合理化を進め競争力を高める必要性に迫られていた。

統合スキームと出資比率を発表

統合の枠組みは、三井化学と出光興産が出資する既存の合弁会社に住友化学が参加する方式で進められる。統合後の出資比率は三井化学52%、出光興産28%、住友化学20%となり、3社が共同で経営を担うことになる。単純合算で国内生産能力の3割以上を占める規模に拡大する見通しだ。

生産設備停止を含む合理化策の影響

統合に伴い、一部の生産設備を停止し、効率化を進める計画が示された。国内全体のポリオレフィン生産能力は約583万トンであり、新体制の存在感は極めて大きい。雇用に関しては影響がないと説明されているが、業界全体の合理化の流れに拍車をかけるとみられる。

業界再編の流れと関連する動向

今回の統合は、石油化学業界で広がる合理化の動きの一環と位置づけられる。すでにエチレンなど基礎原料の生産集約が進んでおり、今後さらに企業間の再編が加速する可能性がある。国内市場の構造転換に直結する取り組みとして注目されている。

経営陣の発言と今後の見通し

三井化学の橋本修社長は会見で「生産設備の統廃合により事業基盤を強化する段階に入った」と述べた。また、「高収益体制の確立に向け、さらにスピード感を持って取り組む」と語り、統合による成長戦略を示した。

この記事をシェア