フルスペック型採用で党員の意見を反映
自民党は9月9日、石破茂首相の退陣に伴う総裁選をフルスペック型で行う方針を固めた。党員と党友の投票を国会議員票と同等に扱う仕組みであり、候補者の人気や知名度が従来以上に勝敗に影響を与えることになる。総務会では異論なく承認され、党の再生に向けた第一歩として位置づけられている。
日程は9月22日告示、10月4日投開票
同日午後に開かれた総裁選管理委員会では、総裁選の日程を9月22日告示、10月4日投開票と決定した。総裁任期途中でフルスペック型が採用されるのは初めてであり、歴史的な選挙戦となる見通しだ。投票で過半数を得られない場合は決選投票が行われる点も確認された。
前回総裁選の票がカギを握る
今回の総裁選で注目されるのは、前回の選挙で石破氏が獲得した108票の党員票の扱いである。当時は高市早苗前経済安保担当相が109票を得て首位に立ったが、国会議員票が石破氏に集中し、結果的に逆転を許した。党内では「この票がどこへ流れるかが勝敗を左右する」との声が上がっている。
選挙敗北で高まる党員重視の声
自民党は直近の衆院選、都議選、参院選と連続して敗北しており、危機感が党内に広がっている。今月2日にまとめた参院選総括でも「党員は党の宝であり、支持拡大の要だ」と明記し、党員重視の姿勢を強調した。こうした背景から、党内では「党員票で最多を得た候補を総裁に据えるべきだ」との意見も出ている。
候補者間の構図と今後の行方
有力候補と目される高市氏は前回に続き多くの支持を得る可能性があるが、保守的な立場への警戒感も一部で根強い。小泉進次郎農林水産相や林芳正官房長官に票が分散する見方もあり、勝敗の行方は流動的だ。次期総裁の選出結果は、自民党の今後の方向性と「解党的出直し」の成否を決定づけることになる。