歴史的水準に到達した株価が判明
9日の東京市場で日経平均株価が初めて4万4000円台に到達し、取引時間中の最高値を記録した。米国株高や国内の財政拡張観測が追い風となり、投資家の買い意欲が強まったことが背景にある。だが、取引終盤にかけては利益確定の売りが優勢となり、終値は前日比184円安の4万3459円29銭で取引を終えた。
米市場の強さ、東京株式相場に反映
米国ではFRBの利下げ観測が強まり、前日のナスダック指数が最高値を更新した。これに連動する形で東京市場でもハイテク関連株が買われた。半導体株を中心とした値がさ株の上昇が、日経平均を押し上げる原動力となった。
為替相場の変動が重荷となった影響
午後に入ると外国為替市場で円高が進行し、ドル円は146円台後半まで円高が加速した。輸出関連企業の収益悪化懸念が台頭し、株価の上昇にブレーキがかかった。市場参加者は米国の雇用統計改定に注目しており、結果次第で為替動向がさらに変動する可能性が意識された。
金価格の過去最高水準を記録
日本の金市場において、田中貴金属工業が店頭販売価格を1グラム1万9087円とし、過去最高水準を更新した。米国の金融緩和期待によって金の投資妙味が増し、株式から金へ資金が流れる傾向が見られ、金融市場全体の資金配分に変化が及んでいる。
今後の見通しを巡る専門家の分析
市場関係者からは「自民党総裁選やFRBの政策決定が株価の方向性を左右する」との声が上がる。内外の要因が交錯する中で、東京市場が再び終値ベースの最高値を更新できるかどうかが焦点となっている。