円安と政局不安が重なり金価格が史上最高を更新

政治情勢の変化が市場心理に影響を与える

石破首相の辞任表明が国内外に衝撃を与え、投資家心理を揺さぶった。政局不安の広がりはリスク回避の動きを強め、安全資産とされる金の需要を押し上げている。

大阪取引所では、来年8月物の金先物が1グラム1万7298円に達した。取引中の最高値を更新し、市場の注目が集まった。FRBの利下げ観測が背景にあり、相場全体に強い追い風となった。

田中貴金属工業が公表した小売価格は1グラム1万8915円に到達し、史上最高を記録した。高騰は2日続けてのことで、国内の金需要が小売価格にも反映されている。

米国の金融緩和観測と同時に、日本では円安が進行している。新政権下での積極的な財政政策への期待が為替に影響し、円安が一層強まった。これにより、輸入価格の上昇を通じて金価格の高騰を後押しした。

世界の金融市場では、政策変更や政治リスクを背景に安全資産志向が強まっている。金価格の記録更新は、投資家が先行きの不透明さを警戒していることを端的に物語っている。