新興企業支援で29年までに1000億円達成を目指す
りそな銀行は、ベンチャー支援を加速し2029年3月までに1000億円規模の融資を実現する計画を示した。今年度末には100億円を達成する見通しで、段階的に規模を拡大する。岩永省一社長は「社会課題の解決や経済成長に貢献する企業を後押しする」と述べた。
目次
成長段階に応じた伴走型の融資体制を整備
りそな銀行は2023年10月に創業間もない企業を対象に融資を開始した。これまで22件、57.5億円を実行しており、今後も企業の成長に応じて継続的に支援する姿勢を示している。資金提供だけでなく、長期的な成長戦略を描ける体制を整えている点が特徴だ。
無形資産担保融資の制度改正に備えた対応
来年5月には事業性融資推進法が施行され、ノウハウや顧客基盤といった無形資産を担保とする融資が可能となる。岩永社長は「潜在力を担保にできる」と説明し、施行後に素早く対応できるよう準備を進めている。これにより、中小企業の再生や成長に向けた新しい資金調達ルートが広がる見込みだ。
事業承継問題への取り組みを強調
後継者不足が深刻化する中小企業に対しても、りそな銀行は事業承継支援に力を注ぐ。岩永社長は「事業承継は新しい歴史の始まり」と述べ、M&Aを含む多様な手段を提示する方針を示した。経営者に寄り添い、持続可能な成長へ導く役割を担う考えだ。
国内M&A市場活性化に向けたファンド設立
国内では大規模な企業再編が相次ぐなか、りそな銀行はあおぞら銀行などと共同でLBO融資ファンドを設立する。地方銀行の参加も募り、資金供給の選択肢を広げることで市場の安定と成長を支援する。7月には運営会社を設立しており、今後規模の具体化を進める。