国連と主要国が入植撤回を求める声明発表

宇津木 柊
经过

批判の的となった3400戸の建設計画

イスラエル政府は8月20日、ヨルダン川西岸で約3400戸の住宅を建設する計画を承認した。計画地はエルサレムの東側にあり、入植拡大が進行すれば西岸地域の一体性が分断され、パレスチナ国家の樹立が困難になると懸念されている。こうした決定を受け、国際社会では直ちに強い批判の声が広がった。

欧州や日本が強い懸念を表明

日本、イギリス、フランス、オーストラリアの外相らは21日、連名で声明を発表した。声明はイスラエルの決定を「一方的で受け入れがたい行為」と断じ、撤回を強く要求した。また「暴力と不安定を助長し、平和への道を閉ざす」として、イスラエル自身の利益も損なうと警告した。声明の厳しい内容は、主要国の懸念の大きさを反映している。

国連トップが国際法違反を指摘

グテーレス国連事務総長も記者会見で同計画を強く批判した。「あらゆる入植地の建設は国際法違反であり、撤回されるべきだ」と明言し、入植活動が国際秩序に反する行為であるとの立場を鮮明にした。国連としてもイスラエルに対する圧力を強めていく姿勢を示した形となる。

ガザ停戦と人質解放の必要性を訴え

同時に、ガザ地区の戦闘に関しても懸念が示された。グテーレス事務総長は「即時停戦を実現し、全ての人質を無条件で解放することが急務だ」と訴えた。軍事行動が招く犠牲の拡大を防ぐため、国際社会が一致して取り組む必要性を改めて強調した。

中東和平の見通しが厳しさを増す状況

今回の入植承認をめぐる一連の反応は、中東和平の展望が一層厳しくなっていることを示している。国際社会の圧力が強まる中、イスラエル政府の対応は今後の地域情勢に直結する。二国家解決の実現可能性が問われる局面であり、外交努力の重要性が一段と増している。

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