米関税の余波でタイ政策金利を1.50%に変更

長峰 詩花
经过

3年ぶり低水準、4回目の利下げが決定

タイ中央銀行は13日、翌日物レポ金利を0.25%引き下げ1.50%とした。これは過去10カ月で4回目の利下げで、3年ぶりの低水準。米国が課す関税の影響で、年後半の経済成長が鈍化するとの予測を背景に決まった。

米通商政策が構造問題を悪化

中銀は、米国の関税政策が国内経済の構造的課題を深刻化させ、競争力を損なうと指摘。観光客減少や輸出の落ち込みにより、中小企業や個人消費への影響が避けられないとした。声明では、景気を支えるため金融政策を緩和的に維持すると明言した。

市場の反応と追加利下げの観測

エコノミストの大半は今回の利下げを予測しており、一部では年末までに政策金利がさらに0.5%下がる可能性を見込む声もある。HSBCは来年第1四半期までに1.00%に到達すると予想している。

新総裁就任後の金融政策方針

セタプット総裁の任期満了に伴い、後任のウィタイ氏が10月1日に就任予定。就任直後の会合でも、緩和スタンスの継続が有力視されている。ウィタイ氏は、成長を下支えするため利下げが必要と述べている。

景気後退リスクと為替安定策

サカポップ総裁補は、テクニカルリセッション入りの可能性は低いとしつつも、年後半の成長鈍化は避けられないと説明。景気悪化時には追加緩和を実施する姿勢を示した。また、通貨バーツの安定確保にも注力する方針だ。

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