選挙集計の誤りが明るみに
2025年7月の参議院選挙における東京都大田区の開票作業で、重大な集計ミスが発覚した。不在者投票の集計時に前日までの投票数を重複して加算したことで、全体の投票総数が実際よりも2,600票ほど多く記録されていた。
不整合の解消目的で無効票を追加
この誤計上により、実際に存在する投票用紙の枚数との間に大きな乖離が生じた。開票作業を進める中でこの不整合に気付いた現場職員は、帳尻を合わせる手段として無効票を新たに追加する処理を実施。この対応により最終集計は整合が取れたが、不正確な手法であったことが後に問題視された。
区選管は票の見直しを行わず
大田区選管はこの件について、「最終的な当落結果には影響を与えない」との見解を示し、開票結果の再検証や票の再確認は行わないと決定した。一方で、関係職員への聞き取り調査は継続しており、7日には経緯説明の会見を予定している。
繰り返される過去の類似事例
無効票の水増しは今回が初めてではない。2017年の滋賀県甲賀市では開票結果を偽装したとして選挙管理委員会の幹部らが刑事責任を問われた。また、2013年には高松市、2014年には仙台市でも同種の問題が指摘されている。今回の件も、公職選挙の信頼性を揺るがす重大な例として注目を集めている。
区の謝罪と制度見直しへの意向
区選管は6日付で謝罪文を発表し、「公正な選挙運営を損なう事態となり、心よりお詫び申し上げる」とコメントした。今後は選挙業務における再発防止策の策定を急ぎ、制度的な運用の見直しが求められる。