元請けと下請けの連鎖的な支払い停止が判明
大阪・関西万博における中国パビリオンの建設現場で、代金未払いの問題が明るみに出た。上位の元請け業者による支払いの遅れが原因で、複数の下請け業者にまで影響が及んでいる状況だ。
防犯やスプリンクラー工事も対象に含まれる
未払いが報告されたのは、現場で追加工事を担当していた2次下請けの電気設備業者である。工事内容には防犯カメラの電気配管や、スプリンクラー設備の制御配線が含まれており、金額にして約6,000万円が未払いとされる。
工期内に完了も支払いは一切なく
問題の工事は、契約された期間内に適切に完了していた。工事品質にも問題はなかったが、業者側には1円も入金されていない。企業側は正当な対価が支払われていない現状に対し、公的機関や元請け側の対応を求めている。
経営破綻の危機に直面する中小企業の声
記者会見に臨んだ電気設備会社の社長は、「支払いがなされない限り、経営が成り立たない」と述べ、会社存続の危機に直面していることを訴えた。「まじめに仕事をして報酬が得られないのは納得できない」と語り、同様の立場にある業者の支援を訴えた。
大規模事業における契約管理の課題が露出
今回の事案は、国際イベントの建設現場における契約・資金管理体制の脆弱さを浮き彫りにした。下請け構造の末端で苦しむ業者の存在を無視すれば、万博全体の運営にも支障が出かねない。関係各所の速やかな対応が不可欠である。