為替市場でドルが売られ、ユーロとポンドが上昇
25日の外国為替市場では、米ドルがユーロとポンドに対して売られ、ユーロは1.1658ドルと3年半ぶりの高値に到達。これは米国の財政赤字に対する警戒感が再燃し、長期的なドルの信認に影を落としているためだ。対照的に、円相場は145.17円とドルに対してやや下落した。
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パウエル議長、利下げに慎重姿勢を堅持
米連邦準備制度理事会のパウエル議長はこの日、上院での証言で「利下げを急ぐ状況にはない」と述べた。この発言により、短期的な政策変更への期待は冷やされたものの、経済指標が弱含む中では市場の一部に戸惑いも広がった。米国の金利政策を巡る不透明感が、為替と株式双方に複雑な影響を与えている。
国債利回りは横ばい圏で推移、買い需要も限定的
債券市場では、10年債利回りが4.287%、30年債は4.831%と、全体的に落ち着いた動きだった。2年債は3.773%までやや下落。なかでも注目を集めた5年債の入札では、応札倍率が2.36倍と振るわず、市場の金利見通しの不透明さが際立った。
ハイテク株が上昇主導、NVIDIAが世界首位に
株式市場では、ナスダックが上昇を主導し、ハイテク関連銘柄が買われた。エヌビディアは株価上昇により、時価総額3兆7500億ドルを突破。これは世界企業で最大となる水準だ。一方、S&P500は小動き、ダウ平均は利益確定売りに押されて下落。テスラ株は欧州販売不振で急落するなど、業種間の明暗が分かれた。
資源市場が回復、需要回復期待が材料視される
商品市場では、金価格が反発し3343.10ドルに。地政学的リスクの後退に伴う売りが出たが、安値拾いの買いがそれを上回った。原油先物も需要増を背景に上昇し、WTI先物8月物は64.92ドルまで値を戻した。米国内のガソリン消費の堅調さが、原油価格の支援材料となった。