反対から一転、買収受け入れへと方針転換
2023年に発表された日本製鉄によるUSスチールの買収計画に対し、トランプ氏は当初明確に反対していた。しかし、2025年2月の日米首脳会談を契機に態度を軟化。4月にはCFIUSに再審査を命じ、今回ついに公に支持を表明した。
この一連の動きは、大統領選挙を見据えた対外経済政策の修正と読み取れる。
「米国製鉄の復活」強調に込めた国内重視姿勢
声明でトランプ氏は「鉄鋼を再び、永遠に米国製に」と述べ、鉄鋼業界を象徴的な産業と位置付けた。
海外製品への関税政策を支える象徴的措置として、今回の承認が語られており、自国産業の復興を演出する狙いが透けて見える。
雇用と地域経済への波及効果を最大限に強調
トランプ氏は今回の提携によって少なくとも7万人の雇用が創出され、経済全体に140億USドルの波及効果があると主張。
特にピッツバーグを含む東部地域に対しては、「最大規模の投資」と表現し、地元経済への利益をアピールしている。
USスチールが政権支持を明示
USスチール側はすぐに応答を示し、「日鉄との連携によって企業体制を強化できる」としつつ、「大統領のリーダーシップに感謝」と明言。
企業側も政権との関係性を保つことで、今後の規制環境における安定性確保を狙っているとみられる。
投資実行の時期と今後の展開に注目
日鉄の投資は今後14カ月以内に完了する予定だが、協業内容の詳細は依然として明かされていない。
今後の公式発表やCFIUSの最終判断をめぐり、政界・経済界の注目が集まっている。