イラン否定も影響拡大 イスラエル軍の報復作戦開始

笠原 美琴
经过

軍事対立の火種が再燃する中東情勢

中東で再び軍事的緊張が高まっている。イスラエルのカッツ国防相は6月24日、イランによる停戦違反を理由に、イスラエル軍に対してテヘランにある戦略拠点への軍事作戦を実行するよう命令を出したと明らかにした。イスラエル政府は、アメリカ主導の停戦合意に反する行動に即応したとしている。

攻撃の根拠は「イスラエルへのミサイル発射」

イスラエル側の主張によれば、イランからのミサイルがイスラエル領内に向けて発射されたことを軍が探知したという。詳細な被害状況や着弾地点についての情報は公表されていないものの、この動きがイスラエルの反撃を正当化する直接的な根拠となっている。

否定を続けるイラン当局の立場

一方でイラン政府は、自国からのミサイル発射を明確に否定している。イラン軍幹部は、当該時間帯においてイスラエルに対する軍事行動は一切取っていないとし、停戦違反の事実そのものが存在しないと強調している。イラン国営メディアもこの立場を報道している。

イスラエル軍の作戦対象は「体制資産とテロ施設」

イスラエル国防当局によると、現在実施中の作戦はテヘランの政権中枢や関連するテロ活動のインフラを標的としている。作戦の強度は極めて高く、単発的な報復ではなく継続的な攻勢となる可能性がある。国際社会は、この一連の軍事行動が広域的な武力衝突に発展することを警戒している。

地域安定への期待は後退

アメリカによる停戦合意が発効して間もない段階でのこの事態は、中東地域における安定化への期待を大きく後退させた。今後、イランとイスラエル双方の対応次第では、国際的な調停努力にも深刻な影響が及ぶことが懸念される。

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