ロンドン発表の内容が一斉に実装、注目集まる
アドビが6月17日に発表したFireflyのアップデートは、4月にロンドンで開催された「Adobe MAX London」で予告された内容が中心となっている。グローバルに発信された新機能が、この日一斉に適用され、ユーザーからの関心を集めた。
今回のアプリ配信により、スマートフォン単体で高度な生成AI機能を活用できる環境が整えられた。これは、常時携帯されるデバイスでの制作需要が高まる現在の利用傾向を的確にとらえた対応といえる。
サブスクリプション連携で利用の利便性を向上
Adobeアカウントとの統合により、生成した画像や映像はクラウド経由で他デバイスと同期され、ユーザーは作業環境を問わず途切れなく制作を進められる設計となっている。
また、コンテンツ生成時には、使用モデルにかかわらずアカウントに割り当てられたクレジットが消費される仕組みが採用されている。
連携AIモデルの多様化で表現力を拡大
Fireflyで使用可能なAIモデルの選択肢は一気に拡充された。アドビ独自のImage 4シリーズだけでなく、OpenAIの画像生成、GoogleのImagen 4やVeo 3、Black Forest Labs、Luma、Ideogram、Runwayなど、多数の外部モデルがFireflyに統合されている。
この対応範囲の広がりにより、ユーザーは目的に応じた最適なモデルを選んで、より高度で多様なコンテンツを作成できるようになった。
Fireflyボードにより共同編集の柔軟性が向上
動画を含めたコンテンツの共同制作を支援する「Fireflyボード」は、最新のアップデートにより、さらに使いやすくなった。Google Veo 3やPikaの動画生成モデル、LumaのRay2などに対応し、複数のユーザーがリアルタイムでコンテンツを作成・調整できる環境が整備された。
また、自然言語による画像編集が強化され、より直感的なクリエイティブ作業が可能となっている。
利用者数急増が示す生成AIの定着傾向
アドビによれば、Fireflyの利用者数と生成アセット数はいずれも急成長を遂げている。240億以上の生成アセットが記録されており、プラットフォームへのアクセスは四半期ごとに30%以上増加。有料プランの登録者も倍増しているという。
数値の推移からは、Fireflyが商用・個人のいずれの領域でも現実的な制作ツールとして利用され始めている実態が読み取れる。