修正合意巡り波紋 年金改革案に異論相次ぐ

笠原 美琴
经过

基礎年金支援のため厚生年金積立金を活用

国会で審議されていた年金制度改革法案が、基礎年金の給付水準維持のために厚生年金の積立金を使う措置を追加して衆議院で可決された。この修正は、自民・公明両党と立憲民主党の合意により法案の付則に盛り込まれた。

限られた審議時間に懸念の声

採決前に行われた討論では、日本維新の会の阿部議員が「内容が美化されている」と述べ、議論の深さと財源の透明性に疑義を呈した。国民民主党の玉木代表も「十分な議論なく強行したことは裏切り」と発言した。

維新・共産など野党は反対を表明

反対に回った野党勢力は、積立金の活用方法やマクロ経済スライドの問題など、年金制度全体の抜本的な議論が欠如していると批判している。共産党は「熟議の国会に反する」として、参議院での徹底審議を求めている。

自民・立民の合意形成に批判も

前原誠司氏(維新共同代表)は「与野党の密室協議で合意した修正案では不十分」と述べ、国会の手続きに対する疑念を示した。一方、立憲民主党の野田代表は「最低限の修正に合意した」とし、現段階では着実な前進だと位置づけた。

採決に加わらなかった河野氏の動向

注目されたのは、自民党の河野前デジタル大臣が採決に参加しなかった点だ。SNS上で「厚生年金から基礎年金への転用は税金投入を伴う」と否定的な見解を表明。党幹部は、事前に体調不良の報告があったとして特段の処分は考えていないとしている。

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