独自路線のデジタル戦略を打ち出す
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は、新たなデジタルバンクの設立を2026年度後半に計画している。既存のインターネット銀行とは異なり、店舗での対話型サービスを維持しながら、AIとビッグデータを融合させた新たな金融の形を目指している。
ロボアド企業と連携し高度な分析を導入
本構想では、MUFGが完全子会社化したウェルスナビと連携し、利用者ごとの資産状況や投資目的に応じた精緻な金融提案を行う。従来型のサービスに代わるパーソナライズ型運用支援が注目されている。
スマホアプリでサービスを一元化
MUFGは6月から個人向け新サービス「エムット」を開始する。これは銀行アプリの再設計によるもので、利用者は金融サービスをスマートフォン上で統合的に利用できる。ポイントサービスの利便性も向上し、顧客満足度の向上が期待されている。
デジタル強化で首位維持を目指す動き
会見において、亀沢社長は「利便性とお得感を軸に攻勢に出る」と明言。預金口座数や預かり資産の拡大を重視し、これまで以上に積極的な戦略に転じる姿勢を打ち出した。
他行との競争が市場を活性化
メガバンク各社による個人顧客獲得競争は激化している。三井住友はPayPayとの提携で決済と銀行サービスの融合を図り、みずほは楽天との連携で新たなポイントサービスを開始している。MUFGの構想はこの動向の中心に位置づけられる。