米価の急騰で問われる政府対応
米の店頭価格が過去最高を更新する中、江藤拓農林水産大臣は2025年4月22日の閣議後会見で、備蓄米の放出にもかかわらず価格が下がらない現状について謝罪した。3月中旬に始まった政府備蓄米の市場投入は、当初の期待とは裏腹に十分な価格抑制効果を上げられていない。
備蓄米放出の意図とその限界
物価高対策として行われた備蓄米放出は、卸業者や小売店を通じて消費者に届くことが前提とされていた。しかし現実には、流通ルートの途中で十分な情報把握が難しく、各所で在庫が滞っているとの指摘もある。江藤氏は、備蓄米が国有財産である点を強調しつつ、流通業者に放出の趣旨を理解してもらう必要性を訴えた。
価格の高止まりが続き、生活者の声にも影響
最新のデータでは、全国の小売店における米5キログラムの平均販売価格が4,217円に達し、前年同時期の水準を大きく上回った。これは過去の記録を更新するものであり、家庭の食費負担が一段と重くなっている。こうした状況を受けて、対策の効果を実感できないという市民の声が各地で聞かれるようになっている。
次の入札に向けた改善と供給の見通し
政府は、4月23日に3回目の備蓄米入札を実施予定としており、江藤大臣はより迅速な流通と供給体制の構築を目指す考えを示した。これまでの運用を踏まえ、関係機関の対応も徐々に洗練されつつあり、地域の販売店まで安定的に商品が届く仕組みの整備が進められている。
責任認識と政治的説明責任
江藤大臣は「価格には直接関与できないが、放出の意義を伝えるのは政治家としての責任」と述べ、自身の立場を明確にした。今後も政府は、価格安定と物価抑制に向けた調整策を重ねる必要がある。