燃料引き下げで企業活動にも追い風、コスト圧縮に期待

企業支援を目的とした燃料価格引き下げ方針

石破首相は4月22日、経済対策の一環として燃料価格を引き下げる措置を講じると明言した。ガソリンおよび軽油は1リットルあたり10円、重油と灯油は5円、航空機用の燃料は4円の減額となる見通しで、5月22日から段階的に導入される予定である。

燃料を大量に消費する輸送業や製造業にとって、今回の措置は運用コストの圧縮につながる。特に物流業界では、燃料費の占める割合が大きく、価格の下落が企業収益に与える影響も大きい。コスト軽減による価格転嫁の抑制も期待されている。

資源エネルギー庁によると、5月22日時点での価格が185円で推移した場合、7月上旬までに175円まで下落する計算となる。1週間ごとに1円ずつ価格が下がる見込みだが、国際的な原油相場によっては進行速度が前後する可能性がある。

政府はまた、電力およびガスの料金についても対処方針を示している。夏場の使用量増加を見越し、7月から3か月間にわたって料金を抑制する施策を検討中であり、特に電力需要の高い業界ではコスト低減の恩恵が広がると見込まれる。

政府による一連の支援策は、燃料価格の安定化を通じて企業の設備投資や雇用維持に寄与する可能性がある。経済の回復基調を持続させるための布石として、今後の実施状況と追加措置の展開が注目される。