米ファンド、フジテレビの再建へ圧力強化

長峰 詩花
经过

ダルトンが取締役12名の選任を正式に提案

米系ファンド、ダルトン・インベストメンツの関連会社が、フジ・メディア・ホールディングス(FMH)に対し取締役12名の選任を求める株主提案を正式に提出した。FMHの公式発表によれば、この提案は6月の株主総会で議案として審議される予定で、従来の経営体制の限界が浮き彫りとなっている。

「日枝色」からの脱却と世代交代を明示

1980年代から続いた「日枝体制」の影響が今も社内外に色濃く残る中、提案では体制の刷新と世代交代が急務とされている。FMHが先月発表した取締役人事には、過去の体制と同じ顔ぶれが含まれ、変革を期待する株主にとって失望を招いた。今回の提案はその流れに対する対抗措置と位置づけられる。

フジテレビの苦境と構造的課題の指摘

提案は、FMHとフジテレビが直面する深刻な問題点に切り込んでいる。上場企業としてのガバナンス不備、収益源として機能してきた不動産部門の過度な依存、株主構成の歪みを生む政策保有株の問題、そして視聴率の低迷によるブランド力の低下が挙げられている。構造改革が不可欠であるという主張が貫かれている。

放送・メディア事業の刷新に向けた具体策

特に注目されるのは、放送・メディア部門に対する抜本的な改革提案だ。若手の登用や制作体制の柔軟化、制作会社との協業関係の再構築、さらには国際市場における流通戦略の再設計が掲げられている。自社資産の再評価を含めたコンテンツ戦略も、今後の成長の柱とされている。

提案がもたらすFMHの進路変更の可能性

この提案が可決されれば、FMHの経営方針に大きな転換点をもたらすことは間違いない。親会社としての役割の再定義と、それに基づく子会社経営への影響は避けられない。既存体制と外部提案の衝突構造の中で、どのような着地点が見出されるかが注目される。

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