経緯の調査で内部不正が判明
サイバーエージェントは、金融やライフスタイルに関する情報サイトを運営する子会社CyberOwlの会計処理に重大な不備があったと公表した。アフィリエイト広告の成果を過大に見積もり、確定していない収益を意図的に売上に計上していたことが問題視されている。
売上高37億円に相当する影響
調査結果によれば、2020年度からの5年間で、売上および営業利益に与えた影響は合計で約37億円にのぼる。特に2024年9月期では、17億円以上の不正計上が確認されており、長期間にわたる組織的な不正があった可能性が浮かび上がる。
組織内のチェック体制の脆弱さ
不正は、アフィリエイト広告の売上予測を扱っていた事業部門の責任者によって行われていた。この取締役は、売上予測の根拠となるデータを改ざんし、不正な計上を主導していたとされる。社内の監査体制や内部統制の甘さも、問題の背景にあったとみられる。
経営陣の処分と説明責任の表明
サイバーエージェントは、経営陣の責任を明確にするため、藤田社長の報酬減額を含む役員処分を公表した。3か月間にわたり報酬を30%カットする対応は、事態の重大さを受けた経営判断と位置づけられる。
将来に向けた課題と対策
この不正会計を受け、企業としての信頼性や情報開示の正確性が改めて問われている。サイバーエージェントには、グループ全体の内部統制を見直すとともに、透明性の高いガバナンス体制の再構築が求められる。再発防止策の具体化が急がれる。