全国民への5万円給付案、政府が経済対策として本格調整

経済への圧力に対応する現金給付策を提示

日本政府と与党は、国内の物価高騰やアメリカによる関税政策の影響に対処するため、全国民に向けた一律現金支給の検討を進めている。2025年4月9日時点では、国民1人あたり5万円を給付する案が有力視されており、家計の支援と景気の安定を同時に図ることを目的としている。

現行の案では、所得制限を設けず全国民が対象となる。これは、高所得層を除外することで行政手続きが煩雑になり、支給が遅れることを避ける意図がある。広範な層への迅速な支援が求められている中、一律給付という形で生活支援と消費の下支えを両立する。

給付の財源は、2025年度の補正予算案で賄う方針で、政府は国会での予算案成立を6月の会期末までに目指す。今回の給付策は単発の支援にとどまらず、今後の景気下支えにもつながる重要な柱とされており、与党内でも早期成立に向けた調整が始まっている。

石破茂首相は、米国の関税強化が日本経済に与える影響を「国難」と表現し、早急な対策が必要との認識を示している。また、林芳正官房長官は、与党政策責任者に対し、迅速な党内合意と対策案の策定を求めた。政府は近く緊急経済対策として本案を正式に取りまとめる。

今回の給付策は、景気全体の浮揚と国民生活の安定という二重の目的を兼ねている。消費の喚起や経済回復を図る上でも、現金給付は即効性のある手段とされ、実現すれば大規模な経済刺激策となる。今後の国会審議の行方が注目される。