中長期方針策定に向けた会合がスタート
9日に開かれた財政制度等審議会では、2025年6月に決定予定の経済財政方針についての議論が始まった。政府は中長期的視点から成長戦略と財政の健全性を見直す段階に入っている。
限られた財源をめぐる選択と集中の必要性
会合では、人口構造の変化に対応するために、限られた国家財源をどの分野に重点的に投じるかが重要な論点として浮上した。特に、民間投資の促進と労働生産性の強化に期待が集まっている。
物価上昇への対応と財政支出のバランス
財務省は、インフレが進行する中での無制限な支出拡大は「財政インフレ」を引き起こし、物価上昇を加速させる可能性があると警鐘を鳴らした。予算編成にはデータに基づいた抑制的アプローチが求められている。
グローバル経済の波に備えた柔軟性の確保
国際情勢の変動、特に米国の関税政策などが日本経済に与える影響を念頭に、委員からは「柔軟で機動的な財政運営」が必要との意見が相次いだ。外的要因への迅速な対応が国家財政の信頼性を左右するとの認識が広がっている。
財政健全化と信認構築をどう両立するか
増田寛也氏は会見で「財政の信認を維持するには、将来への備えと現在の安定が不可欠」と述べた。今回の議論では、財政健全化目標を維持しつつ成長戦略を具体化する難しさと、その必要性が浮き彫りとなった。
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