なにわ筋線の総事業費6425億円に倍増、資材・用地費の上昇響く 大阪市は2031年開業目標を維持し事業継続へ方針

宇津木 柊
经过

総事業費は当初計画のほぼ2倍へ拡大する見通し

大阪市中心部を南北に結ぶ鉄道新線「なにわ筋線」の総事業費が、従来の3291億円から6425億円へ増える見通しとなった。整備を担う第三セクターの関西高速鉄道が18日、大阪市の会議で新たな試算を示した。増加幅は3134億円で、当初計画と比べてほぼ2倍の規模となる。今年4月には総額が6500億円を超える見通しも示されており、府市は費用の内訳を改めて精査するよう求めていた。今回の試算は、その要請を受けて関西高速鉄道が工事費などを詳しく検証した結果となる。

資材高騰と用地費上昇が事業負担を大きく押し上げ

関西高速鉄道の分析では、資材価格の上昇などを背景に工事費単価が1645億円増え、用地費単価も459億円膨らんだ。地価の上昇に加え、地中にある障害物の撤去も費用を押し上げる要素となった。大阪府と大阪市は、事業費の大幅な増額が避けにくい状況を踏まえ、引き続き削減策を検討するよう求めている。大阪市の負担は最大で594億円増える見込みで、自治体側にも追加の財政負担が生じる。18日の会議でも、関西高速鉄道に対してコスト縮減を続ける必要性が確認された。

利用者予測を下方修正し費用便益比も大幅に低下

計画の見直しでは、1日当たりの利用者数も26万4000人から24万3000人へ引き下げられた。事業費の増加と需要予測の修正を受け、整備によって得られる利益を投入費用で割る費用便益比は、従来の1.49から1.05まで低下した。ただし、公共事業の目安とされる1を上回っており、関西高速鉄道は事業を続けることが妥当との判断を府市に報告した。大阪市も、費用対効果は悪化したものの、投資に見合う水準は維持されていると評価した。横山英幸市長も、事業を進めるうえで必要な数字の範囲は確保したとの認識を示している。

大阪市はコスト抑制を求め事業継続の方針を確認

18日に開かれた大阪市の会議では、有識者を交えて事業継続に伴うリスクを検討した。市は、今後も関西高速鉄道に対して費用の圧縮に取り組むよう働きかける方針を確認した。横山市長は、物価上昇が続けば事業費がさらに増えるリスクがあると説明し、現在の試算で費用増の問題が完全に解消されたわけではないとの見方を示した。一方、事業そのものについては継続する考えを維持している。府市は、増額後の事業費を前提にしながら、開業までの費用管理を進めることになる。

2031年開業目標を据え置き新線整備を継続へ

なにわ筋線は、JR大阪駅北側からJR難波駅、南海電鉄新今宮駅方面を結ぶ約7キロの新線で、2021年に着工した。完成すれば大阪駅から関西空港駅まで乗り換えなしで結ばれ、新大阪駅と関西国際空港のアクセス改善にもつながる。総事業費が大幅に増え、利用者見込みも下方修正されたが、大阪市は路線の役割を踏まえて2031年の開業目標を変更しない方針を確認した。横山市長は大阪の南北軸を結ぶ重要な戦略路線だとして、整備の必要性を強調している。今後はコストを抑える取り組みを続けながら、予定している開業時期を維持して事業を進める。

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