熊本地方で最大震度7の強い地震発生
7月28日午後4時27分ごろ、熊本県熊本地方を震源とする強い地震が発生した。震源の深さは約16キロ、地震の規模はマグニチュード7.1と推定され、宇城市と氷川町で震度7を記録した。熊本市南区や八代市、宇土市、益城町などでは震度6強となり、長崎県と鹿児島県を含む広い地域でも強い揺れが観測された。
気象庁は今回の地震を「令和8年熊本地震」と命名した。国内で震度7が確認されたのは、2024年の能登半島地震以来となる。熊本県内では同日午後8時までに震度5弱以上の揺れが4回発生しており、気象庁は今後1週間程度、特に2、3日は大きな揺れへの警戒を続けるよう呼びかけた。
イオンモール熊本で爆発と建物崩落
熊本県嘉島町にあるイオンモール熊本では、利用客を施設外へ誘導した後、爆発が起きた。消防庁によると、建物の2階部分が崩落し、多くの人が内部に取り残されているとみられる。警察関係者は、従業員を含む20~30人が施設内から出られなくなっている可能性を示している。
施設を運営するイオンは、爆発の原因や被害状況の確認を進めている。総務省は専門的な調査と消防活動を支援するため、消防研究センターの研究員を現場へ送ることを決めた。現地では倒壊部分の捜索が続けられ、取り残された人の所在確認と救出が優先されている。
周辺県から消防部隊を相次ぎ増派
消防庁は大規模な被害に対応するため、緊急消防援助隊を計1000人規模で投入する態勢を整えた。福岡県、岡山県、広島県など6県から約500人が先行して出動しており、長崎県や山口県などにも新たに約500人の派遣を求めた。各部隊は人命救助、火災対応、被害情報の把握に当たる。
総務省は28日夜に非常対策本部会議を開催した。林芳正総務相は、幹部を中心に省全体で対応し、人命の救出と通信網の早期回復を進めるよう指示した。警察庁も長官をトップとする非常災害警備本部を設置し、午後10時までに九州地方から寄せられた260件の110番通報について情報収集を進めた。
火災や家屋倒壊で被害範囲が拡大
熊本県内では住宅などの倒壊が12件発生し、建物内に人が取り残された事例も4件確認された。火災は午後8時の時点で7件だったが、その後の消防庁の集計で8件に増えた。日本製紙八代工場では煙突の一部が折れて倒れ、9人が救助を必要としているものの、けがの有無や程度は分かっていない。
熊本城では複数の石垣が崩れたものの、観光客などのけがは確認されなかった。安全が確保されるまで臨時休園となり、被害状況の点検が行われる。熊本城では2016年の地震による損傷の修復が続いており、新たな被害の確認が必要となっている。
避難対象拡大で安全確保を最優先
熊本県では、警戒レベル5に当たる緊急安全確保が4万6610世帯、9万2743人を対象に発令された。避難指示は熊本県の7万7595世帯、15万7236人に加え、長崎県でも1万8293世帯、3万9291人に出された。消防庁の集計では、熊本、長崎、福岡の7市町で一時約21万7000人が避難指示の対象となった。
気象庁は一時、有明海と八代海に津波注意報を発表した。八代市と宇城市では、立っていることが難しい水準の長周期地震動「階級4」も観測された。消防、警察、自治体は続く揺れに備えながら、商業施設や倒壊建物での救助活動と住民の安全確保を進めている。
