王毅外相が複数の地域会合を欠席
中国の王毅外相は7月23日、フィリピン・マニラで開催されたASEANプラス3と東アジアサミットの外相会議を欠席した。ASEANプラス3には日本、中国、韓国が参加し、東アジアサミットには日米を含む関係国が出席する。王氏は茂木敏充外相と同じ会議に加わる予定だったが、同席する機会は実現しなかった。
中国外務省は、王氏が同日からキルギスで行われる上海協力機構の外相会合に出席すると説明した。マニラでの予定を切り上げた理由については、日程上の事情によるものだとしている。一方、日本との関係を巡る政治的な意図があったかどうかについては説明していない。
前日に両国外相が短時間接触
王氏は会議を欠席する前日の7月22日、マニラで茂木氏と短時間言葉を交わしていた。茂木氏によると、両氏は日中の2国間関係について話した。高市早苗首相の台湾有事を巡る国会答弁後、両国外相が直接接触したのは初めてとなる。
茂木氏は、日中両国が地域の平和に対して重要な役割を担っていると指摘した。懸案が存在する状況でも、継続して意思を伝え合うことが必要だとの立場を示した。ただし、接触は会議の合間に行われた短い会話であり、正式な外相協議には発展しなかった。
中国外務省は接触への説明を控える
中国外務省の林剣報道官は7月23日の会見で、王氏と茂木氏が言葉を交わしたことについて問われた。林氏は、把握している範囲では王氏と日本側が会談する予定はないと回答した。接触そのものがあったかどうかや、会話の内容については答えなかった。
日本側が外相間の接触を公表したのに対し、中国側は公式な会談として認める説明をしていない。双方の発表には温度差があり、今回のやりとりに対する位置付けも一致していない。関係改善に向けた外交上の進展と評価できる段階には達していない。
ASEAN会合でも対日批判を展開
王氏は7月22日のASEAN各国外相との会議で、軍国主義の復活を許さないと主張した。発言の場に日本側は出席していなかったが、日本を意識した内容と受け止められている。茂木氏との接触と同じ日に、中国側が厳しい対日姿勢を改めて示したことになる。
日中関係は、高市首相による2025年11月の国会答弁を転機として悪化した。その後も中国は日本に対する批判を強め、両国外相による正式な話し合いは開かれていない。短時間の接触が行われても、中国側の基本的な立場に変化は示されていない。
米国も中国の対日措置に懸念表明
米国のルビオ国務長官は7月22日、マニラで日中関係について記者団の質問に答えた。中国による輸出管理など、日本が直面する一連の事態を把握していると説明した。その上で、攻撃的な措置であり憂慮すべき状況だとして、懸念を持って見守っていると述べた。
日中関係の悪化は2国間にとどまらず、東アジアの外交や安全保障にも関わる問題となっている。日本側は意思疎通の維持を重視しているが、中国側は批判的な言動を続けている。正式会談が設定され、具体的な懸案を協議できる環境を整えられるかが、今後の地域外交の焦点となる。
