AI需要拡大が業績全体を大きく押し上げる
韓国のサムスン電子は7日、2026年4〜6月期の暫定決算を発表し、本業のもうけを示す営業利益が89兆4000億ウォンになったと明らかにした。前年同期の4兆7000億ウォンから約19倍に増加し、四半期ベースで過去最高を更新した。売上高も171兆ウォンとなり、前年同期比で2.3倍に拡大した。世界的なAI需要の広がりを受け、半導体関連の販売が業績全体を大きく押し上げた。
3年分超える営業利益を四半期だけで計上へ
今回の営業利益は、サムスン電子が2023年から2025年までの3年間で計上した営業利益の合計を上回る水準となった。NHKによると、同社の過去3年間の営業利益合計は82兆9000億ウォンであり、4〜6月期だけでその額を超えた。短期間での収益拡大は、AI向け半導体需要が同社の業績に与えた影響の大きさを示している。売上高と営業利益がそろって過去最高となった点も、今回の決算の特徴である。
メモリー価格上昇が収益基盤を一段と支える
業績を支えた中心はメモリー半導体である。AI関連の投資は高帯域メモリーに限らず、従来型のDRAMやNAND製品にも広がり、4〜6月期を通じて価格上昇が続いた。アナリストは、HBMの生産拡大によりスマートフォン、PC、企業向けサーバーで使われる従来型メモリーの供給が引き締まり、価格上昇につながったと指摘している。半導体部門の従業員向け賞与引当金を計上しても高い利益を確保したことから、メモリー市況の改善が収益を強く支えた構図が明確になった。
大型投資と供給制約が今後の焦点として浮上
サムスン電子は、半導体の生産能力を拡大するための投資資金確保に注力する見通しと伝えられている。同社は先週、2040年までに韓国国内で2100兆ウォンを投じる計画を示した。ただし、支出は市場環境や事業上の必要性に応じて調整する方針も明らかにしている。新たなメモリー工場の建設には数年を要するため、AI需要が拡大する中でも供給の増強には時間がかかる。大手クラウド事業者によるAI関連投資が続く一方、生産能力の拡大ペースが限られる点が今後の注目点となる。
半導体好況の持続力が問われる新局面へ移行
サムスン電子の4〜6月期決算は、AI需要を背景とした半導体市況の強さを改めて示した。営業利益は市場予想を上回り、売上高も過去最高となった。一方で、詳細な事業別収益は30日に発表される予定であり、メモリー以外の部門の状況も確認が必要となる。半導体市場はこれまでも好況と不況を繰り返してきたが、AI需要が業界の供給能力を上回る状況が続く中、今回の好業績がどこまで持続するかが次の焦点となる。
