副首都法案の住民投票規定で自維調整が難航、高市首相が削除要請し維新は党内判断へ持ち帰り協議続く情勢に焦点集まる

長峰 詩花
经过

首相官邸での党首会談で修正要求が焦点に浮上

高市早苗首相は6月22日夕、日本維新の会の吉村洋文代表と首相官邸で会談し、副首都構想関連法案を巡って意見を交わした。会談には木原官房長官と維新の遠藤敬国会対策委員長も同席した。自民・維新両党の実務者がまとめた法案について、首相は住民投票に関する一部規定の修正を求めた。

副首都構想は、大規模災害時に東京の首都機能を補う拠点を設け、東京一極集中の是正につなげる内容である。首相は会談後、同構想について国のレジリエンスを高め、東京圏以外に経済の核をつくる意義があると説明した。今国会での成立を目指す姿勢も重ねて示した。

府域全体を対象とする住民投票規定の対立点

最大の論点となったのは、大阪都構想に関係する住民投票の範囲である。大阪市を複数の特別区に再編する構想を巡り、法案の付則には投票対象を大阪市内にとどめず、大阪府全体へ広げられる規定が盛り込まれていた。この内容は維新側の求めを反映したもので、副首都構想と都構想を制度面で結び付ける位置付けを持っていた。

これに対し、自民党内では反対意見が相次いだ。大阪府連などからは、住民自治を保障する憲法92条との関係を問題視する声が上がった。自民執行部も今国会中の成立を優先し、法案修正の検討を維新側に求める流れとなった。

名称変更手続きにも新たな条件提示が行われる

首相は会談で、住民投票の対象範囲について「今のままではまとまらない」として、付則の変更を求めた。具体的には、道府県の名称を「都」に変更することと特別区設置を同時に問う場合、道府県全域で住民投票を実施するとした規定の削除を要請した。これにより、法案の成立に向けた自民側の条件が明確になった。

名称変更の方法についても、首相側から別の手続きが示された。道府県名を「都」に改める際は、住民投票ではなく、府議会の議決と国の承認を条件とする考えである。NHKは国会の承認を必要とする案が示されたと伝え、毎日新聞も府議会の議決と国の承認を求める内容だったと報じている。

維新は全体会合と役員会で対応判断へ持ち帰り

吉村氏は会談後、記者団に対し、維新として一両日中に判断する考えを示した。24日までに全体会合や党役員会に諮り、受け入れの可否を決める方針である。吉村氏は、自民党内がまとまらないことについて残念だと首相に伝えたことも明らかにした。

一方で、吉村氏は「決める時は決めていかなきゃいけない」と述べ、法案成立を視野に党内意見を集約する姿勢を示した。さらに、高市首相から大阪都構想に意義があるとの発言があったことを重視する考えも示した。維新にとっては、制度修正を受け入れるかどうかが今後の焦点となる。

今国会成立へ問われる与党間の最終調整の行方

会談では、副首都構想関連法案に加え、皇族数確保に向けた皇室典範改正案や衆議院議員の定数削減法案についても協議された。両党首は、これらの法案を今国会で成立させる方針を確認した。首相は、定数削減法案と副首都法案を連立合意の重要な柱と位置付けた。

ただし、副首都法案は住民投票規定を巡る修正協議が残っている。自民党内の反発を踏まえた変更を維新がどこまで受け入れるかが、今国会成立の前提となる。副首都構想を進めるためには、実務者協議の成果と党内合意のずれを埋める調整が必要となる。

この記事をシェア